ミャンマーの郵便事情
概要
1. ミャンマーの郵便サービスの概要
2. 郵便物を出す際の注意点
3. 日本から届いた荷物を受け取る際の注意点
1. ミャンマーの郵便サービスの概要
ミャンマーでは、送った手紙や小包が届かないことは日常茶飯事です。特に海外からミャンマーへ向けて送ったものは届きにくい傾向にあります。一方、逆は比較的届きます。国内であっても郵便は届かないことが多く、2014年の調査では国内郵便の送達率は87.8%でした。ミャンマー現地から日本への郵便は中央郵便局の「日本企業専用受付」から送ればかなりの確率で届きますが、逆は今のところ打つ手なしというのが現状です。しかし、2016年よりJICAプロジェクトの一貫として「郵便サービス能力向上プロジェクト」が始まっており、改善の兆しはあります。
現状(17年9月時点)はヤンゴンから首都ネピドー宛に送付したものが到着するのに3~7日程度を要します。
軍事政権時代に手紙を開封され、内容次第では逮捕されることもあったという背景から、現在でも国民の郵便への信頼度は極めて低く、ミャンマー現地では通常郵便(EMSは除く)よりもプライベート企業の宅配便の方が利用される頻度が高いです。
大都市圏で郵便ポストを見かけることはあまりありませんが、郊外や地方都市では時々見かける程度の数はあります。ただし、日本のように毎日決まった時間に集荷が行われているわけではありません。
日本から自宅宛に送付する場合、サービスアパートのように荷物を預かってくれる人が常駐している所に住んでいない場合は、勤務先宛に送付するのが無難です。
郵便局や税関へ荷物を直接受け取りに来るように指示される場合があります。その場合、身分証明書が必須となり、宛先人本人以外が出向く場合は委任状とパスポートコピーが必要になります。呼び出しがあった場合には、受け取り場所で荷物を開封し中身を確認させられます。税金を徴収される場合も多く、税額が1,000円程度になることも。このようなケースでは手続きにミャンマー語を要することが多いので、ミャンマー人に付き添いを依頼するか、委任状を渡してミャンマー人に出向いてもらうのが良いでしょう。
ヤンゴン中央郵便局(Corner of Strand Rd. & Bo Aung Kyaw Rd., Kyauktada Tsp)の営業時間は9:30~16:30で、土日祝日は休業日です。その他の郵便局によって営業時間は違いますので最寄りの郵便局の営業時間は確認しておきましょう。
2. 郵便物を出す際の注意点
国際郵便
駐在員の多くはEMSやプライベート宅配便業者を利用することが多いです。
EMSを利用した配送料金は、500g 40,500Ks(約3,240円)、10kg 175,500Ks(約114,050円)程度です。
2015年3月から中央郵便局内に「日本企業専用窓口」が設置されています。日本企業専用とありますが、個人でも日本向け郵便物であれば受付可能です。個人が出すエアメール程度であれば日本企業専用窓口にそのまま並んでも問題はないですが、通常は日本企業専用窓口付近にある通常窓口で重量を測ってもらい、切手貼付のうえ、専用窓口で投函という流れが一般的です。企業が大量の書類を送る場合は、あらかじめ会社で切手を貼るところまで終わらせて持ち込むケースが多いです。
郵送する郵便物について、各支店に集まった郵便物を一度中央郵便局に集めた後配達していく為、中央郵便局に郵送したい荷物を直接持込すると、紛失等のリスクを減らすことが出来ます。
国内郵便
国内発送についてはRoyal Expressが人気を集めています。
ヤンゴンからネピドーまで専用の封筒(A4サイズの書類が入る大きさ)に入る範囲であれば0.5ks 2,500Ks(約200円)、1kg 3,500Ks(約280円)、2kg 5,000Ks(約400円)で送付が可能です。Royal Express事務所(114 48th Rd., Pazundaung Tsp.)の営業時間は8:00~19:00、土日祝日は休業となります。なお、営業時間は営業所により異なり、集配時間もエリアによって異なるため注意が必要です。集配時間はダウンタウンエリアであれば12:00~17:30のみとなっています。
3. 日本から届いた荷物を受け取る際の注意点
EMSの受け取り場所は基本的には事務所や個人宅ですが、郵便物同様、宛先人(または委任状を持った代理人)がEMS事務所まで取りに出向き、税金を支払わなくてはならない場合があります。EMSの発送受付は中央郵便局で可能ですが、EMS事務所は郵便局とはまったく違う場所にある為注意が必要です。
EMS事務所(361 Pyay Rd., Sanchaung Tsp.)の営業時間は9:30~16:00で、土日祝日は休業日です。